こんにちは、秀乘(しゅうじょう)です。
京都市中京区にあります満福寺の住職。また、六満こどもの家(夜間保育園)の園長をしながら、一人でも多くの方が明日が大好きになって今日一日を笑顔になれるような情報を日々、発信しています。
今回は、年間で100冊程度の様々なジャンルの本を読んでいる私が、あなたにオススメしたい本を紹介・解説をしていきたいと思います。
今回は、ズバリ!!
話し方で人生が変わる!?一流スピーチライターが教える 『話し方のテクニック』の本になります。
私も満福寺でお坊さんになり、そして、保育園で働きはじめて17年目になります。色々な経験の中で、人前に立って話すことに少しは慣れてきましたが、今でも「もっとうまく話せるテクニックがあったらな」と反省する毎日です。
また、相手に何かを伝えようと思えば思うほど相手に上手く伝わらなかったり、話がうまくまとまりきらずにどうやって話を終わらせたらいいのか分からなくなり、頭がパニックになるといった経験を数多くしてきました。
私もそうなのですが、そもそも、「人前で話す」という行為が得意な方は少ないと思います。
この「伝える」という行為は簡単なことではないと思います。思うように相手に伝わらなかったり、自分でも何を話しているか分からなくなったり、また誤解されたり・・・など色々な苦しい思いをされてきた方は多いと思います。
そんな「相手に伝えるテクニック」を丁寧に教えてくれる一冊が、千葉佳織(ちばかおり)さんの書かれた、『話し方の戦略』になります。
千葉さんは、1994年8月26日生まれ、北海道出身のスピーチライターであり、株式会社カエカの代表取締役。15歳から弁論を始め、全国弁論大会で3度優勝し、内閣総理大臣賞を受賞されています。
新卒でDeNAに入社し、同社初のスピーチライター事業を立ち上げ、2019年に株式会社カエカを設立しました。彼女は大手企業の経営者や政治家に対して話し方の指導を行い、著書に『話し方の戦略』があります。

この記事ではこの『話し方の戦略』の1部の内容を解説しています。興味を持たれた方は、ぜひ本書を手に取ってもらい「人前で話すテクニック」を習得してもらって、話し方で人生を変えてもらえると嬉しいです。
この本の一番大事なポイント!

この本の一番のコアメッセージ。それは、
話す力が上達するポイントは『話し方×構成』で決まる!!ということになります。
千葉さんは、「話し方」・「構成」のどちらかではなく、両方がしっかりとできてはじめて「相手に伝わる話し方」ができると説明されています。
次の章から話し方が上達する、「話し方」と「構成」を解説していきます。
話し方の3原則(話し方の戦略)
千葉さんは「話し方」と「構成」には戦略があり、まずは話し方には基本の3原則があると説明されています。
どんな分野でも基礎がしっかりとできていないと、成長に限界が出てくるように話し方にも大切な基本の3原則があります。
次から話し方の基本の3原則を解説していきます。
「話す目的」を明確にする。

3原則の1つ目は、「話す目的」を明確にするになります。
「話す目的」を明確にするとは、どういうことなのか?
これは、話している中で「何を達成したいか」がはっきりしていると、自然と話の質が良くなるというものです。
例えば、「会議で一つの結論を出す」、「話して信頼できる人だと思われたい」「誠実だと感じてほしい」「この話でこれだけは持って帰ってもらいたい」といったイメージでもいいので、何のために話すのかを明確にすることが大事だと説明されています。
この話す目的がはっきりしてないと、話すこと自体が目的化してしまって、夏休み前の校長先生のようについつい話が長くなったり、世間話や余計なことを言ってしまったり、話が脇道に逸れたりして、「結局、この人は何が言いたいのだろうと?」いう印象を与えてしまい、人の心を掴むような話ができなくなる。
「対象者(相手)」を分析する。

2つ目は「対象者(相手)」を分析する。
会話をしている相手の表情や仕草、状況や求めていること、知識量、どんな気持ちでいるのか、退屈そうにしていないかなどを、観察して、相手にあった適切な言葉を選ぶことが良い話し方をする上で大事になる。
例えば、自分本位で難しい仏教用語や業界用語を使うと相手によっては上手く伝わらないこともある、強い言葉を使いすぎたり、相手が聞きたいと思っていないようなテーマで話したりすると、相手に悪い印象を与えかねない。
つまり、相手のために言葉を使うという意識が大事になる。
伝えたいメッセージを一つに絞って話す。

3つ目は「話し言葉」の意識を持つになります。
「話し言葉」の意識を持つというのは、私的には少し分かりにくかったので、分かりやすく言うと、「伝えたいメッセージを一つに絞って話す」ということになると私は思いました。
文章やメール、ラインと違ってスピーチやトークは聞き返すことができないし、一度にたくさんの情報を伝えられても、なかなか覚えられない。
にもかかわらず、話す側は聞き手が自分の話したことをすべて覚えていると思いがちで、ついつい話を詰め込みすぎる傾向がある。
例えば、大事なことが3つあります。一つ目は・・・。2つ目はこのなってという感じで、一つのスピーチに3つの大事なことを盛り込んでしまうことがあるが、これをするとほとんどの人は最終的に何を聞いたかあまり覚えていないことが多くなる。
この意識を持つことで、余分な言葉や話を思い切って短くしたり、一番伝えたいことに的を絞って、言葉や表現を探していけるようになる
構成の戦略
次に、話の構成についてのテクニックを紹介していきます。
この本には以下に紹介する話し方のテクニックの他にも、声の抑揚や声のスピード、目線の使い方、また「えー」や「あのー」などの無意味な言葉を省いた方がいい理由などについても言及されています。
この記事を読んでもらってもっと話し方のテクニックを知りたいと興味を持たれた方は手に取ってこの本を読んでもらえると嬉しいです。
何が言いたいのかを一言でサクッと示す(コアメッセージ)

この本で書かれている一番大切なメッセージがこのコアメッセージを話の中に入れることだと私は感じました。
コアメッセージとは、話の中でもっとも伝えたいことで、コアメッセージの有無によって話の分かりやすさが大きく変化すると千葉さんは説明されています。
この本の中で千葉さんは、「ワールドベースボールクラシック(WBC)」決勝戦の試合前、の大谷選手のスピーチを例にあげられています。
僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやってれば誰しもが聞いたことがあるような選手たちがいると思う。
今日一日だけは、やっぱり憧れてしまっては超えられないんで、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので、今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。
さあ、行こう!
このスピーチのポイントは、最初の「僕から一個だけ憧れるのをやめましょう」といった部分になります。
言いたい一つの結論が最初にドカンと来ている。自分が一番伝えたいメッセージをできるだけ少ない文字数で短く伝えることが相手に自分の言いたいことを記憶してもらう際に大事なポイントになる。
例えば、「僕から一個だけ憧れるのをやめて、思い切ってプレイして結果を出しましょう」だと長いくて印象が薄まってしまうと、千葉さん曰く、伝えたいメッセージは短ければ短いほど記憶に残りやすくなるという。
もし自分の伝えたいことがたくさんあるのなら、伝えたいことを一言で言うと、と自問自答して考えて、それ以外を思い切って削ってみるといい。
ストーリーを構成する。

次はストーリーを話の中に構成することが大事だと説明されています。
人を惹きつけたければストーリーを含めて伝える、人はストーリーに引き込まれる習性がある。実際に私たちは昔からずっと映画やアニメ、漫画のストーリーに惹きつけられている。
それを応用して、商品、会社、人のストーリーを語ることで、相手を惹きつけることができる。
例えば、私で言うと何も知らない世界から僧侶の道に入り・・・みたいな感じになると思います。
また、接客で言うと、自分がここで働き始めるまでのストーリーや、お客さんに腕時計の歴史が作られるまでのストーリーを伝えたり、経営者で言うと、赤字になり倒産の危機に陥ったけど、そこから頑張って這い上がってきたストーリーをそれとなく伝えることで、相手は好感を抱きやすくなる。
ちなみに、スタンフォード大学の研究によれば、事実だけを羅列するよりも、ストーリーを含めて伝えた方が22倍も人の記憶に残りやすいと言われている。
自分の弱みと成果をセットで語る。
ストーリーを構成する上で、自分の弱みも入れるようにする。これはいいストーリーを作る鉄板の要素になる。
まず多くの人は自分の弱みを見せないように生きている。だからそんな自分の悩みや弱点など、例えば、うつ病に苦しんでいますとか、がんのステージ3ですとか、子供の頃に児童養護施設で過ごしました、などの自分の弱さや本当は隠したいことなどを自然にさらけ出されると、きついところから頑張ってやってきたんだなと感じて、相手に親しみを覚えたり、応援したくなったりする。
ただし、これには注意点もあり、ただ弱みを語るだけだと、その場の空気が暗くなってしまうこともある。
例えば、自分はうつ病に苦しんでいて、もう何もかも嫌になって引きこもっていますと言われると、ちょっと暗い気持ちになる。そこで大切なのは、弱みとセットで、「このおかげで今の自分はあります」や「あの苦しい経験があったからこそ出来るようになりました」などの成果や決意も一緒に語るといいそうです。
説得力を持たせたければ、ファクトを盛り込む。
ストーリの中にファクト(真実)を盛り込むことで話に説得力を持たせることができる。
このファクトを盛り込む、というのは、つまり事実や数字、データ、論文などのエビデンスを混ぜて話すことで、話に説得力が生まれるということ。
ストーリーが好感と共感を生むものだとしたら、ファクトは信頼と納得を生むものになる。
例えばさっき言ったように、スタンフォード大学の研究によれば、事実だけを羅列するよりも、ストーリーを含めて伝えた方が22倍も人の記憶に残ることがわかっているというのもファクトになる。
声やジェスチャーは自分の思う3倍やる。

最後に話し方(発音や動作)のテクニックの紹介になりますが、声やジェスチャーは自分の思う3倍やると相手に伝わりやすい。
自分が思っているよりも、自分の声や動作は小さい。声は自分の声帯から出ているわけなので、私たちは自分の声を大きいと錯覚していることが多い。だが、自分がしゃべっているのを録音したり録画すると、意外と小さいと気づけるそうです。
そういう意味でも、千葉さんはいつも音声と動作の意識は自分の思う3倍以上やって、初めて聞き手には普通に聞こえると説明されています。
この本には以上に解説した話し方のテクニックの他にも、声の抑揚や声のスピード、沈黙の使い方、目線の使い方、また「えー」や「あのー」などの無意味な言葉を省いた方がいい理由などについても多く解説されています。
この記事を読んでもらってもっと話し方のテクニックを知りたい・人前に立って話すことに自信を持ちたいと興味を持たれた方は手に取ってこの本を読んでもらえると嬉しいです。
私も住職として法事での法話やお説教で多くの皆さまの前でお話をする機会が多くあります。
ご縁に結ばれて話を聞いてくれた方が少しでも良かったなと笑顔になってもらえるお話が出来るように話し方のテクニックを磨いていこうと思います。
公式YouTubehttps://www.youtube.com/@%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E6%B5%84%E5%9C%9F%E5%AE%97%E6%BA%80%E7%A6%8F%E5%AF%BAや公式Instagram【@manpukuji1618.kyoto】でも情報を発信していますので、興味を持っていただけたら応援・フォローしていただけると日々の励みになります。よろしくお願いいたします。
最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。
コメント