京都市中京区にある西山浄土宗・満福寺の住職、そして六満こどもの家(夜間保育園)の園長をしています、内海秀乘(うつみしゅうじょう)です。
満福寺とご縁を結んでいただけた一人でも多くの方が、「明日が大好き」と思えて、今日一日を笑顔で過ごしていただけることを願い、明日が大好きになれるような情報を発信しています。
年間およそ100冊程度、さまざまなジャンルの本を読む中で、「これはぜひ知ってほしい」と感じた一冊をご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは、小川涼太郎さんの著書である、
『不登校の9割は親が解決できる 〜3週間で再登校に導く5つのルール〜』になります。


誰にでも起こる不登校

私にも中学校や小学校に通う子どもがいるのですが、子どもと話をしていると学校に行けない子や保健室で授業を受けている子が何人かいるという話を聞くことがあります。
また、中学校に通うお子さんの保護者さんとお話をする機会があったのですが、「昨日まで普通に学校に行っていたのに急に学校に行けなくなってしまった」「なんで学校に行けなくなったのか、まったく原因が分からない」などの話を聞くこともあります。
不登校になった子どもの保護者の方が「まさか、うちの子が不登校になるなんて」と言われますが、そう思っていたその「“まさか”」は、ある日突然、現実になるのだとお話を聞いて知りました。
今や不登校は特別な家庭だけの問題ではありません。今この瞬間も、不登校は気づかないうちに、誰の身にも起きる問題なのです。
不登校に悩むすべての人を救う5つのメソッドとは!?

「どうして学校に行けなくなったのか分からない…」
「原因さえ分かれば、きっと解決できるはず…」
子どもの不登校に悩む多くの親御さんが、そう考えているのではないでしょうか。
しかし、「不登校のきっかけとなった出来事を解決しても、再登校できるようにはならない」と、『不登校の9割は親が解決できる 』を書かれた小川さんは言っておられます。
「大事なのは、子ども自身が問題に向き合う力を引き出すこと。原因を追究しなくても不登校は解決できる。そのためにはクリアすべき5つの条件がある」
株式会社スダチ代表の小川涼太郎(おがわりょうたろう)さんは、たったの3週間で不登校の9割を解決してきた実績があり、「すべての人に幸せな巣立ちを」を理念に、不登校で悩むご家庭に寄り添い、親子関係や生活習慣を整えることで、お子さんが自ら学校に向かう力を育む復学支援をされています。
次の章から、「不登校の原因」「不登校をどうすれば解決できるのか?」「親にできる具体的な関わり方」などについて分かりやすく紹介していきます。
現代の「不登校の原因」とは!?

少子化で子どもの数は減っているにもかかわらず、不登校の子どもたちは増え続けており、約30万人もの小中学生が学校に行くことができていません。また、高校生でも学校に登校できない子どもは約6万人と増加傾向にあるそうです。
これは大きな社会問題となっており、国の対策は芳しい成果を上げられておらず、メディアでも不登校問題がよく取り上げられています。
文部科学省の不登校の定義(年間30日以上欠席し、心理的・社会的要因によるもの)から外れる、病気や経済的理由による長期欠席者も約46万人おり、実質的に学校に行けていない子どもはさらに多いと考えられます。
また、一度不登校になると学校への復帰は難しく、令和4年度の東京都の調査では学校復帰率は小学生で29.5%、中学生で21.7%に留まっており、不登校の子どもたちは、このように7~8割は学校に戻ることができていないというデータもあるくらい、一般に不登校は解決することが難しいと思われています。
不登校の「真」の原因
実は、不登校の根本的な原因は、いじめや友人関係といった個別の問題ではなく、『「正しい親子関係が築けていないこと」に起因する自己肯定感の低下である』と小川さんは言っておられます。
文科省の調査でも、不登校の要因として最も多いのは「無気力、不安」(51.8%)であり、子ども自身も理由がはっきりわからないことが多いそうです。
現代の社会構造や、子どもの権利尊重を子どもがしたいようにやらせてあげるといった「甘やかし」と誤解する子育て環境の変化が、親からの愛情が子どもに伝わりにくくし、この問題を助長しています。
親が家庭の主導権を握り、厳しさと愛情を両立させる「正しい親子関係」の欠如が不登校解決には必要不可欠になってきます。
また最近では、フリースクールなど学校以外の居場所は増えているとはいえ、不登校になってしまうと、本来得られるはずだった公教育の機会が失われ、将来の選択肢が狭せばまってしまうという現実があります。
《学校以外の機関で学習する場合》
・フリースクール: 子どもに合えば良い選択肢だが、平均月額3.3万円の費用、出席扱いになっても内申点がつかず高校進学に不利になる点、スクールによっては学習がおろそかになるリスクを理解する必要がある。
・ホームスクーリング: 親に深い教育知識と時間的余裕がある場合にのみ可能で、日本では正式な教育手段と見なされていない。
・通信制高校: 高卒資格は取得できるが、自己管理能力が求められ、レポート提出が中心となるため本質的な学びが得られない可能性がある。
不登校は解決できる。(最短で再登校に導ける5つの条件)

「学校に行きたいのに行けない…」「親としては元気に学校に行ってもらいたいのに、それができない…」
これは大変な苦しみです。このように自分の子どもが不登校の問題に直面した場合、出口の見えないトンネルの中にいるような気持ちになると思います。
本人が一番苦しいのには違いありませんが、親御さんの悩みもはかりしれません。でも、「不登校は必ず解決できる」と小川さんは言っておられます。
それは「正しい親子関係を築くことが出来れば不登校を解決することができる」ということです。
繰り返しになりますが、不登校の子を無理やり学校に行かせればいいわけではありません。
自ら「また学校に行ってみようかな」「チャレンジしてみよう」と思い、実行に移すことができるようになることが重要です。
そのために整えなければならない条件が5つあります。
・再登校に不可欠な「5つの条件」
《再登校に不可欠な「5つの条件」》
①子どもの自己肯定感を高める
②正しい生活習慣に戻す
③正しい親子関係を築く
④考える時間を与える
⑤しなやかな考え方を教える
条件①「子どもの自己肯定感を高める」
不登校の子は「学校に行けない自分はダメだ」「自分が悪いからこうなってしまったのだ」など罪悪感を持っており、自分を肯定することができないでいます。
自分に自信を持てず、前向きな気持ちになれません。つらい現状を打破するには、まずは自己肯定感を高めることが必要になります。
そして、自己肯定感を高めるためにはお父さん・お母さんが、お子さんにたっぷり愛情を注そそいであげる必要があります。
例えば、お子さんの話を否定せずに聞いてあげ、たくさん褒ほめたり、お子さんの年齢によってはスキンシップを取ったりすることで愛情を感じさせてあげることです。
スダチでは親御さんに「1日10回以上褒めてください」と伝えているそうです。
条件②「正しい生活習慣に戻す」
学校に行っているときは、朝はきちんと間に合う時間に起きて、夜は早めに寝ていたはずです。
ところが、不登校の子の多くは夜遅くまで起きていて朝起きることができず、ひどい場合には昼夜逆転しています。食事をとる時間もまちまちになり、食欲も出なくなります。
生活習慣の乱れは心身ともに悪影響があります。生活習慣が乱れたままでは、元気が出ません。正しい生活習慣は不登校を解決する上で必須になります。
例えば、起床時間は、学校に間に合う時間を設定します。学校に行っていたときは朝6時半に起きていたというなら、6時半になります。
そして、朝ごはんをしっかりと食べるようにする。食欲がなければ、飲み物だけでもかまいません。またできるだけ家族と一緒に食卓につくようにするといいそうです。
就寝時間も決めて、夜はしっかり眠ります。睡眠時間が短いのは良くありません。理想的な睡眠時間は、小学生9~11時間、中学生8~10時間と言われています。例えば、夜9時半に寝て朝6時半に起きれば睡眠時間は9時間確保できます。
そして、朝起きたら、朝日を浴びるようにしましょう。朝日を浴びると「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。
セロトニンは心身の健康に欠かせないホルモンです。朝10時までに太陽の光を浴びると、セロトニンが分泌されて体内時計がリセットされると言われています。太陽の光をしっかり浴びることで夜になると眠くなり、睡眠の質も良くなるのです。
正しい生活習慣に戻す、具体的で実践可能な5つのルール
大切なので繰り返しになりますが、3週間で子どもが再登校できるようになるには正しい生活習慣に戻すことが大切になります。
「正しい生活習慣に戻せないと不登校はいつまでたっても解決できない」と小川さんは断言しておられます。
でも、どのようにすれば正しい生活習慣に戻すことができるのか分からないと思われる方は多いと思います。
次からは、スダチさんが実際に不登校の親御さんに説明している具体的に正しい生活習慣に戻すための実践可能な5つのルールを紹介していきます。
《正しい生活習慣に戻す5つのルール》
・ルール1:正しい親子関係を築く
・ルール2:見守るだけではなく変化を起こす
・ルール3:学校が変わるのを待つより自分が変わる
・ルール4:デジタル機器から離れる(デジタル禁止)
・ルール5:子供の自己肯定感を高める
ルール1:正しい親子関係を築く
現代では、親子関係の在り方が過去と大きく変わっています。昔は子どもに対して厳しい態度を取ることが一般的でしたが、今では子どもの権利を尊重する考え方が広がっています。しかし、甘やかしすぎることで親子関係が逆転してしまうこともあります。
子どもに頼られる存在であるためには、親は愛情を持ちつつも時には「約束だから、ダメなものはダメ」と厳しい一面を見せることも必要になります。親が自信を持って子育てに取り組むことで、子どもも自然と親を頼ることができるようになります。
ルール2:見守るだけではなく変化を起こす
多くの親は子どもの不登校に対して「見守る」ことが大切だと考えがちです。しかし、それだけでは状況が変わらないことが多いです。
学校の対応も、不登校の子どもに対しては、「とりあえず子どものやりたいことをさせてあげて、親御さんは見守ってあげてください」とアドバイスされることが多いようです。
しかし、見守るだけでは不登校は一向に解決に向かわないのです。不登校の子どもには変化を起こすためのサポートが必要になってきます。親が積極的に関わり、愛情を持って子どもに対して正しい道を示すことで、再登校への道が開けていきます。
つまり、「見守る」だけでなく、子どもに自ら行動を促すことが大切なのです。
ルール3:学校が変わるのを待つより自分が変わる
不登校が長引けば長引くほど、子どもが再登校するハードルは高くなります。
そのため、早めの対応が重要です。学校に行かない理由が学校にあると考える親もいますが、まずは自分ができることに焦点を当てるべきです。
いじめによる不登校の場合は、子どもの命を守ることを最優先し、学校に断固たる対応を求め、必要であれば転校や外部専門家・警察への相談も視野に入れるべきだが、そうでなければ
学校が変わるのを待つよりも、親自身が変わり、行動を起こすことで状況を改善する可能性が高まります。
学校の状況をすぐに変えるのは難しいため、不登校解決にはまず家庭環境を改善することが最も効果的になる。家庭のルールを作り、愛情を伝えつつもダメなことはダメと教える「正しい親子関係」を築くことで、子どもは精神的に安定し、結果的に再登校につながる。
ルール4:デジタル機器から離れる(デジタル禁止)☜特に重要
不登校が続く原因の一つに、デジタル機器への依存があります。「不登校を解決するには特にデジタル機器から離れることが重要だと」小川さんは言っておられます。
デジタル機器が不登校に与える影響と対策
今では小中学生でも一人一台のスマホを持っている時代です。YouTubeやTikTokなどのSNSや、オンラインゲームに時間を費やすことが多くなると、生活リズムが崩れ、再登校への意欲が低下します。
親はデジタル機器との距離感をしっかりと管理し、子どもが適切な生活リズムを取り戻せるようにサポートする必要があります。
とにかく、デジタル機器からの距離を取ることが、不登校の解決への第一歩です。
デジタル機器の依存性
スマホやゲームは、脳内のドーパミン分泌を促進し、ヘロインに匹敵する高い依存性を生むように設計されています。
特に、衝動を抑制する脳の前頭葉が未発達な子どもにとっては、アルコールやギャンブルと同様に本来は制限されるべきものであるが特に制限されることはない。
また、昔のゲームはクリアしたら終わりで、次のゲームを買うのにも値段が高くなかなか新しいゲームを買えないというものだったが、現代のオンラインゲームは終わりがなく、最初は無料で毎日ログインするとボーナスがもらえるといった仕掛けがあり、いつでもどこでも気軽にプレイできるため、昔のゲームより格段に依存しやすい。
アップルやGoogleなどのIT企業のトップは自身の子どものスマホ使用を厳しく制限している話もよく耳にします。
不登校の子どもの多くがゲームに依存しており、WHOが認定した「ゲーム障害」(ゲームの衝動が抑えられない、ゲームを最優先する等の状態が続く)に該当する可能性がある。
東北大学の研究では、スマートフォンの長時間使用は、学習時間に関わらず学力低下を招くという研究結果もあり、スマホを4時間以上使う子は、あまり勉強しなくてもスマホを使わない子より平均点が低い結果が出た。また、インターネットの頻繁な使用は脳(大脳白質)の発達を停止させる可能性も指摘されている。
これらの結果からも分かるように、不登校の子どもには、登校できるようになるまでスマホやゲームの使用を一時的に禁止するルールを設けるべきである。
子どもが「プロゲーマーになりたい」と主張しても、やるべきこと(登校)をせずゲームに没頭することを容認してはいけない。認めてしまうと徐々に要求がエスカレートしていき不登校は一向に解決に向かわない。
よくある子どもの主張に、「宿題するのにスマホが必要」というものがあるが、このような場合はスマホをどうしても使用しないといけないときは「親が横について一緒に宿題をする」や「宿題でスマホを使うときは30分まで」としっかりと約束を守った上でデジタル機器を使用することが必須となる。
ルール5:子供の自己肯定感を高める
不登校の子どもは、自分自身に対して自信を失いがちです「自分が悪いからこうなってしまった」と感じる子どもも多く、自己否定感に陥ることがあります
そこで親は、子どもに対してたっぷりと愛情を注ぎ、努力や成長を褒めることが重要になります。
他人と比較することなく、子ども自身の頑張りをしっかりと認めてあげることで、子どもの自己肯定感を高めることができますこれにより、子供は前向きな気持ちで再登校に向かうことができるでしょう
条件③「正しい親子関係を築く」
子どもにダメなことはダメと伝える厳しさもありながら、愛情深くあたたかい親として接します。家庭の主導権を握るのはあくまでも親です。保護者として子どもを守り、愛情を持って正しく導くことが必要になります。
すでにお伝えした通り、正しい親子関係を築くことができていないと、子どもへの愛情も伝わりにくくなります。子どもは褒められてもあまり嬉うれしいと感じません。頼りない親だと感じれば、頼ったり相談したりすることもできません。
子どもを尊重しようと思うあまり、子どもの言いなりになってしまっている場合は、主導権を取り戻す努力をしましょう。「こうありたい」という家族像に向けて家庭のルールを決めて、その理由も含めてきちんと伝えることは効果的です。
正しい生活習慣に戻すために、起床・就寝時間を決めたり、不登校の間はデジタル禁止にしたりというルールを子どもとしっかり話し合って決めることを小川さんはおすすめされています。
条件④「考える時間を与える」
現代の子どもたちは、ゆっくり考える時間を持つことが少なくなっています。不登校の子は何もしない時間が多いはずですが、スマホを見たりゲームをやったりしていると、考える時間はなくなります。
考えずにラクなほうへ流されている状態では、また学校に行ってみようという気持ちは起こらないのです。自分と向き合い、これからのことについて考える時間を意図的に作ってあげましょう。
不登校の間はデジタルを禁止するだけで、ほとんどの子はやることがなくなります。何もやることがない状態の子どもを見た親はこんな状態でも何かできることはないかと考えがちになりますが、
「無理にやることを探したり提供するのではなく、やることがなくなっていいんです」と小川さんは言っておられます。
そして、そうすると自然と考えるようになります。「考えなさい」と言う必要はありませんし、考えることを促すような取り組みも必要ありません。
親の愛情がしっかり伝わっている状態なら、自分と向き合うことも恐れる必要はありません。
条件⑤「しなやかな考え方を教える(マインドセット)」
不登校の子は、「◯◯は××だ」のような思い込みがあったり、ものごとを硬直した捉とらえ方で見ていた状態になっている場合が多いです。
例えば、「挑戦することは怖いことだ」といったようなことです。
一つの考え方に固定されると、ものごとの明るい面が見えなくなってしまいます。挑戦は怖い面があるのは確かです。失敗して恥ずかしい思いをするかもしれません。
でも、それだけではないはずです。簡単ではないからこそ「挑戦には価値がある」のです。怖さを乗り越えた先には大きな成長があるでしょう。「失敗したらまた挑戦すればいい」「自分には挑戦する力がある」と思うことができれば、怖さも減ります。
また、「頭の良さは決まっている」という思い込みがあれば、できないことは避けたいと思うでしょう。でも、「知性は発達させられる」と思っていれば、いまはできないことも挑戦すればできるようになると思えます。
不登校についても「学校に行けていない自分はダメだ」と思うのではなく、「これを乗り越えられたらすごいぞ。自分は必ず成長できる」と、しなやかに考えられるようになれると大人になって社会に出てもどんなことでも適応できる人材に育つのだと思います。
このような、しなやかな考え方を基本に置くことを「しなやかマインドセット」と呼ぶそうです。
ネガティブな出来事も、捉え方次第です。まずは親自身がポジティブな捉え方をすることが大事です。そして、子どもにポジティブな声かけをしてください。「たとえ失敗しても、挑戦したことがかっこいいよね」といったことを日々話してもらうイメージが大切です。
子ども自身がしなやかに考えることができているときは、どんどん褒めましょう。これを続けることで、子どもは必ず変わります。
そして、「しなやかマインドセット」を持った子どもは再登校できるようになるだけではなく、これからの人生で出会うさまざまなトラブルを乗り越える力になるのです。
スダチに相談に来る方は再登校を目標としているわけですが、学校に行く・行かないを超えて、「しなやかな考え方」が身についたことが、これからの人生にとって良かったと言ってくれる。ものごとの捉え方が変わることは、お子さんにとっても親御さんにとってもプラスになる。
不登校の子どもへの「魔法の声かけ」

保護者にとって、不登校の子どもにどんな言葉をかければよいか悩むことは少なくありません。励まそうとしてもプレッシャーになったり、逆に孤立感を強めてしまうこともあります。
本書では、安心感を与え自己肯定感を育む声かけのポイントや、避けるべきNGワードなどが具体的に紹介されています。
この記事では不登校の子どもに言ってはいけないNGワードを紹介します。安心感を与え自己肯定感を育む声かけのポイントは実際に本書を手に取ってもらえると嬉しいです。

不登校の子どもに言ってはいけないNGワード
本書では不登校の子どもを持つ親が使うべきではない「NGワード」が紹介されており、不適切な声かけが子どものプレッシャーとなり、再登校を妨げると説明されています。
代わりに子どもの努力や成長のプロセスに焦点を当てた褒め方や、質問を通じてコミュニケーションを深める方法を具体的に紹介しています。最終的な目標は、親が子どもを信頼し、子どもが自ら成長し、再登校へと向かうための家庭環境を整えることである。
NGワード①: 「学校に行きなさい」
この言葉は、不登校の子どもに最も言いがちになってしまっている言葉だが、命令されると反発したくなる心理(特に思春期)から逆効果になる。
この言葉で登校できるなら、そもそも不登校にはなっていないです。この言葉を言われると子どもは「親は分かっていない」と感じてしまう。
この言葉をかけるよりも、子どもの自己肯定感を高める、正しい生活習慣に戻すなどの「再登校できる5つの条件」を整えることが重要になる。条件が整えば、子どもは自ら登校しようという気持ちになる。
NGワード②: 「学校に行かなくていいよ」
「学校に行きなさい」以上に言ってはいけない言葉がこの「学校に行かなくていいよ」になります。近年の「無理して学校に行かなくても大丈夫」という風潮から使いがちになってしまっている。
子どもが「学校に行きたくない」と言った際に「そうなんだ。行きたくないんだね」など子どもの気持ちに共感するのは良いが、親が積極的にこの言葉を使うと、子どもは「行きたくない時は行かなくていい」と解釈してしまう。
その結果として不登校が長期化し、再登校への難易度が上がることが多い。
NGワード③: 「どうして学校へ行けないの?」
子どもを心配する気持ちから出る質問だが、子どもにとってはプレッシャーとなり、責められているように感じさせ、罪悪感を抱かせる逆効果がある。
「どうして?」と原因を追及されると、子どもは本当の原因でなくても何か理由を言おうとし、学校に行きたくない気持ちを増幅させてしまうことがある。
毎日、「嫌なことはなかった?」と聞くことも、わざわざ嫌なことを探させることになり、不登校のきっかけを作りかねない。
ただし、子ども自身が「どうして学校に行けないんだろう」と問いかけてきた場合は、「一緒に考えてみよう」と寄り添うことが大切になる。
NGワード④: 「学校、先生、クラス、友達などがダメだよね」
子どものせいではないと伝えたい気持ちは理解できるが、これは他責の言葉であり、子どもの成長を妨げる。このような声かけを続けると、子どもはうまくいかないことがあるとすぐに他人のせいにする思考(他責思考)を身につけてしまう。
問題解決のためには他責思考をやめる必要があり、親が問題解決に向けて考える姿を見せることが重要になってくる。基本的に他人を変えることはできず、現状を変えるには自分が変わるしかない。
NGワード⑤: 「昨日は学校に行くって言っていたじゃない」
子どもが「明日は学校に行く」と登校することを約束したのに実行できなかった時に親が言ってしまいがちな言葉。親の期待を裏切られた気持ちから出てしまうが、これを言うとほぼ100%登校できなくなってしまう。
この言葉はプレッシャーとなり、登校のハードルを上げてしまう。「一回だけでも頑張ってみたら」という励ましも逆効果になることが多い。
約束したのに実行できなかった時には、「ああそう、分かった」とただ受け止め、動じないことが大切。これは、現状を維持しようとする心理的な恒常性(ホメオスタシス)の働きによるもので、おかしなことではない。
学校に関する話題を避けるべき時期
紹介された5つのNGワードは全て「学校」がキーワードになっています。基本的に、子どもが学校に行けない状態の時は「学校」というキーワードを一切出さない方がよいと言われています。
学校の話ができるようになるのは、①自己肯定感を高める、②正しい生活習慣に戻す、③正しい親子関係を築く、④考える時間を与える、⑤しなやかな考え方を教える、という5つの条件が整ってからになる。
この5つの条件が整って、正しい親子関係を築き、子どもの表情が明るくなるなどの変化が見られたら、「登校刺激」として学校の話を切り出すと良い。
先程も書きましたが、本書には不登校の子どもへの不適切な声かけだけではなく、子どもへの上手な声かけの方法などもたくさん紹介されています。
興味を持たれましたら、とてもおススメの一冊になので、ぜひ一度手に取ってこの本をご覧いただけたら嬉しいです。

まとめ

今回は、小川涼太郎さんの著書「不登校の9割は親が解決できる ~3週間で再登校に導く5つのルール~」を紹介しました。
この本では、正しい親子関係を築き、見守るだけでなく自ら行動を促し、子どもの自己肯定感を高めることで、再登校は可能になると説明されています。
特にデジタル機器との付き合い方を見直し、親自身も変化を恐れず行動することが重要になります。
不登校は決して「難しい問題」ではありません。親が子どもに対して愛情と適切なサポートを提供することで、子どもは少しずつ前向きな気持ちを取り戻し、学校に戻る道を歩み始めることができます。
焦らず、一歩ずつサポートを続けることで、親子の絆も深まり、子どもが再び元気に学校生活を送れるようになるでしょう。
この記事を読んでもらい一人でも多くの不登校に悩んでいるお子さんが笑顔で学校に行ける日がくれば嬉しい限りです。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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