こんにちは、秀乘(しゅうじょう)です。
京都市中京区にあります満福寺の住職。また、六満こどもの家(夜間保育園)の園長をしながら、一人でも多くの方が明日が大好きになって今日一日を笑顔になれるような情報を日々、発信しています。
先日、まさかの応援でアキレス腱を断裂するという大怪我をしてしまいました。
アキレス腱の縫合手術をするために入院することになったのですが、その入院中に時間があったので、腰塚勇人(こしづかはやと)さんの著書、『命の授業』を読みました。
この記事を最後まで読んでもらって、少しでも興味を持ってもらい、この本を実際に手に取ってもらえると嬉しいです。
この本を読ませてもらって、当たり前の中にある多くの「有り難さ」や、周りの人の「おかげさま」に改めて気づかせてもらった一冊になりました。
最高の宝物はあなたの目の前にすでにある!?
私が、この本で1番心に残ったメッセージ。
それは、
『宝物は目の前にある。本当の幸せな人は目の前のプレゼントに気付いて感謝することができる』
ということ。
本当は生きたい…
この本の内容を少し解説すると、
中学の体育教師をしていた腰塚さんはスキー中に首を骨折して、首から下が全身麻痺になる大怪我をしました。
奇跡的に一命は取り留めたものの、首から下が全身麻痺になるという、想像もしなかった事態になりました。
腰塚さんは、「これからどう生きればいいのか?」と頭が真っ白になった。
入院していると、みんなから「頑張って」と言われたけど、
自分はもう十分に頑張っていて、これ以上、頑張れなかった。
「頑張ってもどうにもならないこともある。助けて。辛いんだ。わかってほしい・・」という気持ちでいっぱいだったそうです。
腰塚さんは、色々と考えた末に自殺を考えました。
でも、首から下は全く動かせないので首を吊ることも、屋上から飛び降りることも出来ない。
そして、舌を噛んで死のうと思ったが痛くて途中で諦めてしまい、死ぬことも怖くてできなかった。
そんな中で、「本当は生きたい。」という本当の自分の気持ちに気付いたそうです。
でも、生き方がわからない。全身麻痺になり、「どう生きたらいいかが分からなくなった」と言っておられます。
しかし、そのとき奥さんは言ってくれたそうです。
「どんなことがあっても一緒にいるよ。」
お母さんは、
「代われるものなら、代わってあげたい・・・」
そして、親身になって寄り添ってくれた看護師さん。復帰を信じて待ってくれていた同僚の先生たちと生徒たち。病気で先に亡くなった友だちのこと・・・
その時に、支えてくれる存在や生きる勇気をくれた多くの人の存在に気付くことができたそうです。
いつしか、腰塚さんは麻痺した手で力を振り絞り、入院中にこんな言葉を書き綴っていたそうです。
『死んじゃうって、人と会えなくなることですね。助けてって言っていますか?私は言いたい。弱虫、強虫、どっちも私、ありがとう。おかげさま。なかなか言っていない。
隣で喜んでくれる人、泣いてくれる人、怒ってくれる人、皆さん、私の宝物』
そして、ある日、腰塚さんの中で、こんな思いが湧き上がってきたそうです。
「僕は1人じゃない。生きなきゃいけない」と
その時、『助けて・・』って言っていいんだって気が付いた。『助けて・・』って言えば本当にみんなが助けてくれることを知ることができた。
まったく動けなくても「花」のように生きていくことはできるかもしれない。
今のすべてを受け入れて、いつも『笑顔』でいようと決めたそうです。
そして、どんなことにも「ありがとう」を言おうと決めました。
そうしたら、まったく動かなかった手足が、だんだん動くようになり、
下半身の感覚はあまりなく、右半身はうまく動かせない状態ではありましたが、ケガから4か月後に「先生」として、学校に戻れるという奇跡が起きました。
学校に戻るときに腰塚さんは『5つの誓い』を決めました。
5つの誓い
★『口』は、人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう。
★『耳』は、人の言葉を最後まで聞いてあげるために使おう。
★『目』は、人の良いところを見るために使おう。
★『手足』は、人を助けるために使おう。
★『心』は、人の痛みがわかるために使おう。
腰塚さんを助けてくれた人たちがしてくれたことを今度は私がしようと決意したそうです。
病室のベットで腰塚さんの講演会の映像を見ていると、麻痺で震える右手を、「この右手は宝物なんです」とおっしゃられています。
なぜ、この右手が宝物なのか?
今度は、左手を開いたり閉じたりしました。そして、
「左手はここまで戻りました。それが当たり前じゃないということを、この右手が教えてくれるんです。
こうやって、左手が普通に動くことが、どれだけ恵まれていることなのか、忘れないようにさせてくれている。」
目が見えること、手が動くこと、歩けること、息ができること、ご飯が食べれること。
「これら当たり前のことが実は当たり前なことでなく、最高のプレゼントだったということを教えてくれている」
と腰塚さんは講演会で言っておられます。
「現在」は英語で、『PRESENT(プレゼント)』
英語で「過去」のことを「PAST(パスト)」、「未来」のことを「FUTURE(フューチャー)」と言いますが、
「現在」は英語で、『PRESENT(プレゼント)』と言うそうです。まさに現実に起こったことはすべて最高のプレセントだと考えることができると思います。
私もアキレス腱を断裂して、当たり前に歩けることの有り難さや多くの人の支えによって今の自分があることを教えてもらえたような気がします。
アキレス腱を断裂しなかったらこの本をじっくりと読むことはなかったかもしれないですし、この記事も書いていないと思います。
自分に起こった現実は変えられないです。それならば、目の前の現実を最高のプレゼントだと思って、
「これは何のチャンスなんだろう?」「これは意味があることなんだ」「これは絶対にネタになる」と考えるようにする。そして、目の前の最高のプレゼントを楽しもうと思いました。
今、自分の思い通りにならずに苦しい思いをしている方も多いと思います。
そんな方がこの記事を読んでもらって、少しでも笑顔になってもらえると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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