『何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ』【満福寺1・2月お寺のお便り】

お寺の話

満福寺の住職・六満こどもの家(夜間保育園)の園長をしています。内海秀乘(うつみしゅうじょう)です。

新しい年を迎え、山門の屋根に瓦を葺く作業が始まりました。2月中頃には山門の完成を予定しておりますので、完成を楽しみにしていただけますと幸いです。

2月15日は、お釈迦様が涅槃に入られた涅槃会です。

涅槃会(ねはんえ)とは?

涅槃会(ねはんえ)とは、2月の仏事のことを言います。

花まつり(降誕会)や成道会と並ぶ、仏教の三大行事のひとつでもあります。4月8日の花まつりがお釈迦様が誕生した日で、12月8日の成道会は悟りをひらいた日、そして2月15日の涅槃会が亡くなられた日とされ、それぞれの日に仏教の年中行事が営まれています。

また、涅槃(ねはん)とは、サンスクリット語で「ニルヴァーナ」と言って、「ロウソクの火を吹き消す」という意味があるように、仏教の理想である怒り・妬みなどの様々な欲が消滅し、心の迷いがなくなった安らぎの境地に至る状態のことを言います。

話はすこしわき道にそれますが・・・

私事ではございますが、2月16日(日曜日)に人生初のフルマラソンになる「京都マラソン」に挑戦いたします。

まだ20キロ以上走った経験がないので不安の方が大きいですが、最後まで楽しみながら完走できたらと思っております。

高橋尚子選手の座右の銘

『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ』

この言葉は、元マラソン選手である高橋尚子さんが恩師から贈られた言葉で、座右の銘にしておられる言葉になります。高橋選手の練習量はマラソン選手の中でも群を抜いていることで有名です。

マラソンの大会に出場するにあたって、他とは群を抜く距離を走ってきたからこそ、金メダルを取ったときに「たったの42.195kmでした」と言われたのだと思います。

このように輝かしい活躍をされている高橋選手ですが、高校時代は駅伝の岐阜県代表に選ばれるのがやっとの選手で、全国大会の本番では9人に抜かれ、区間順位は全国で下から3番目の45位。

社会人になってからマラソンに転向されましたが、3年間はまったく芽が出ず苦しい日を多く経験されながらも、この言葉を胸に諦めることなく一歩一歩走り続けてこられた結果、笑顔で多くの方に元気を与えてくださる選手になられたのだと思います。

高橋選手はテレビ番組やインタビューで座右の銘を聞かれると、必ずこの恩師から贈られた言葉をこたえられるそうです。

自灯明・法灯明

お釈迦様が涅槃に入られる際、「お弟子様がお釈迦様がいなくなったあと何を頼りに生きていけばいいのですか?」との問いに「自灯明・法灯明」という言葉を残されました。

これは、お釈迦様が亡くなった後、色々なことに迷い・苦しんでいるときこそ「自らをともしびとしなさい。お釈迦様の教えをともしびとしなさい」ということであり、

つまり「苦しくて迷ったときこそ仏教の教えを参考にして、自分は成長できると信じて、諦めずに前に進みなさい。」ということなのだと私は思います。

立派な木に成長するには目に見えない根の部分をしっかり成長させることが大事になる。

しかし、成長が目に見えないときは辛く苦しいと諦めたいと感じることが多いが、そんなときこそ、「自分を信じて目の前のことを大切にして一歩一歩前に進むことができればいつか大きな花を咲かせることができるのだ」とお釈迦様は私たちに教えてくださっているのだと思います。

2月のお寺の日には涅槃図の前で皆さまとお勤めをします。ぜひ賑々しくお参り下さい。

★2月お寺の日のご案内★
令和7年2月21日(金) 13:30~ 於:満福寺
・涅槃会法要
13:30~   涅槃会法要
14:00~   法話
14:30頃   終了予定

どなたでもご参加していただけます。たくさんお参りにきていただけると嬉しいです。

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