師走に入り、急に寒くなってきました。今年も残りわずかとなってきましが、皆様お変わりございませんか。
私事ですが、12月1日から9日までの間、仏教保育園協会の研修でインドの方に研修に行かせていただくことになりました。
満福寺の住職、六満こどもの家の園長をしていますと、なかなか長期の休みが取れないので海外での研修に行くということが困難なのですが、色々な人の協力や助けのおかげで今回、インドに行けることになりました。本当に多くの人に感謝です。
今回の研修では、
「お釈迦様が生まれた」。ルンビニー。
「お釈迦様が悟りを得た」。ブッタガヤ。
「お釈迦様がお弟子さんたちに法を説いた」。サールナート。
「お釈迦様が涅槃に入った」。クシーナガラ。
という、お釈迦様がお生まれになって、お悟りを開かれ、仏教が開かれたインドで、4大聖地をめぐることができるという貴重な体験もしてきます。
また、せっかく仏教の生まれたインドに行けるので、色々なことを吸収してこれからの法話に生かせればいいなと思っています。
インドでの様子もInstagramで随時、投稿していこうと思っています。楽しみにしていただけると嬉しいです。
成道会
12月8日はお釈迦様がお悟りを開かれた日である、成道会にあたります。
成道会とは?
世界中の人間の幸福について悩み続けられたお釈迦様が、菩提樹の下で『お悟り』を開かれ、『仏陀(ぶっだ)』となられた日であります。
仏教で特に重要視される3つの法要の一つで、他の二つは
- 灌仏会(かんぶつえ)=花祭り
4月8日にお釈迦様の誕生を祝う。 - 涅槃会(ねはんえ)
2月15日、お釈迦様の入滅の日に、その御遺徳を偲ぶ。
という仏教行事になります。
今年最後になるお寺の日では、成道会のお勤めと「般若心経」の写経を通して、今年一年の締めくくりを皆様と行いたいと思っております。
そして、年が明けました令和6年1月21日(日)には松竹芸能の「笑福亭呂好さん」に来ていただき、『満福寺新年初笑い落語会』の開催を予定しておりますのでぜひご予定ください。
『笑う門には 福来る』
この言葉は、縁起が良いためお正月にもよく使われ、座右の銘としても人気の言葉であります。
「いつも笑いが絶えない家には自然と幸福がやってくる、いつも明るく朗らかでいればおのずと幸せがやってくる」という意味です。
また、「悲しいことや苦しいことがあっても、希望を失わず朗らかに笑って生きていれば幸せが訪れる」という意味もあります。
笑うと幸せになれるということは科学的にも証明されており、笑いや笑顔には、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化させ、免疫力をアップする効果があるとも言われており、既に、病気の予防や治療に「笑い」を生かす取り組みも広がっています。
和顔愛語
仏教の教えにも「和顔愛語(わげんあいご)」という教えがあります。
「和顔愛語」とは浄土宗寺院が大切にしています、3つのお経である浄土三部経の中の「無量寿経(むりょうじゅきょう)」というお経に出てくる四字熟語であり、
「和やかな笑顔と優しい言葉があれば人を幸せにすることができますよ」という意味で、これはお金や物がなくても誰にでもできる七つの施しである「無財の七施」の一つであります。
無財の七施とは?
「無財の七施」とは、お金や物を持っていなくても人に与えることができる7つの施しことを言い、簡単に説明すると人を幸せにする行いです。
これは、誰にでも今すぐに実践できる、思いやりにあふれる善い行いのことです。
1. 眼施(げんせ)
優しい眼差しで人に接する。相手を思いやる心で見つめる。
目は口ほどにものを言います。
目から相手に自分の心は伝わるものです。
2. 和顔施(わがんせ)
優しい顔、笑顔で人に接する。
ニコニコとした素敵な笑顔は相手を幸せな気持ちにさせます。
3. 言辞施(ごんじせ)
愛語施(あいごせ)とも呼ばれるもの。
優しい言葉で接する。思いやり、愛のある言葉をかける。
4.身施(しんせ)
自分の身体を使って奉仕する。
困っている人(例えば重い荷物を持っている人等)を自分の身体を使って助けてあげる。
5.心施(しんせ)
思いやりの心を持つこと。他の人に気を配ること。
6.床座施(しょうざせ)
席や場所を譲ること。
7.房舎施(ぼうしゃせ)
雨風をしのぐ場所を与えること。自分の家を提供すること。
雨の時に相手に傘を差し掛ける等。
以上が「無財の七施」になります。
このように、無財の七施には、「自分が誰かからしてもらったら嬉しいこと」が素晴らしくまとめられています。
お金や物を持っていなくても、大きなことでなくても、日常のささやかな行いが、喜びの種をまき、花を咲かせることができるのです。
あなたからしたら、小さな言葉かけや小さな心遣いかも知れません。
でも相手にとっては、忘れられないほど嬉しい言葉だったり、感動する心遣いを受けたと感じたりするものなのです。
大切なのはどれかひとつでもよいので、あなたができることから行動することです。種を蒔かないと芽が出て、花が咲かないのと同様に、まずは、あなたから行動しないと何も始まらないのです。
そして、これらの「無財の七施」の中で誰にでも簡単に出来て、私が特に大切だと思うのが「和顔施」と「言辞施」であり、つまり「和顔愛語」なのです。
先程も述べたように、誰かの為に施しをしようと思っても、自分には才能もないし、お金もないから、何の役にも立たないと落ち込むことがありますが、たとえ何も持たない人でも、「笑うこと」や「優しい言葉をかけること」はできると思います。
笑いは伝染すると言われるように、笑うことで周りの人も笑顔になり、笑顔や笑いが広がっていくことが一番大切な施しになるのだとお釈迦様は私たちに伝えてくださっているのです。
落語とお寺
また、落語はお寺と縁があり、 江戸寛永年間、浄土宗・誓願寺の策伝和尚が著した「醒睡笑(せいすいしょう)」という、面白くて楽しい、落とし話を集めた本が評判をよび、それがその後、落語とよばれるはしりになったそうです。
「笑う門には福来る」とあるように、笑いのある家庭や笑顔の絶えない人というのは、素晴しいと思います。
いつも気難しい顔の人より、ニコニコ顔の人の方が幸せなれるに決まっています。
普段の生活で笑えないときもあると思いますが、そんなときこそ「和顔愛語」を思い出し、笑いは人生を楽しくし、人に安心感をあたえリラックスさせてくれる力があるのだと信じ、笑顔と優しい言葉使いを心掛けてもらい、一月の「落語会」ではたくさん笑って笑顔で新しい一年をスタートをしてもらえると嬉しい限りです。
どうぞ、賑々しくご参詣下さい。
◎『満福寺新年初笑い落語会』令和6年1月21日(日)13:00~開場 13:30~開演
※タイムスケジュールは予定です。変更になる場合がございます。
参加を希望される方は、満福寺に連絡していただくか、公式Instagram(@manpukuji1618)までメッセージをいただけますと当日の人数把握ができるので大変助かります。よろしくお願いします。
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