『あなたの心臓の「一叩き(ひとたたき)」』 《京都・満福寺8月 お寺のお便り》

お寺の話

今年もお盆の季節がやってまいりました。連日、厳しい暑さが続いておりますね。

お盆の語源は、仏教用語の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」にあります。

夏の厳しい修行を終えた僧侶へごちそうを振る舞い供養することで、「ご先祖様を苦しみから救うことができる」という教えが元になっています。そして、この供養を通してご先祖様だけでなく、いま生きている私たちも一緒に阿弥陀様にお救いいただこうというのがお盆の始まりです。

この仏教の教えに、日本古来の「ご先祖様を大切にする」という神道の祖霊信仰が融合し、お盆にお墓参りをする現在の形になったと言われています。

開運アドバイザーの本などで「お墓参りをすると運気が上がる」と書かれているのを目にします。

これは、ご先祖様への「感謝」を意識することで心が整い、ストレスが軽減されるからでしょう。感謝の気持ちが前向きな行動を生み出し、結果として物事の捉え方が良くなり、「運が良くなった」と感じるのかもしれません。

そもそも、私たちの心臓は自分の意思で動かすことも、止めることもできません。この世に生を受けた瞬間から、一秒も休むことなく脈を打ち続けています。

「命」という漢字は、「人が一叩き(ひとたたき)」と書きます。 心臓は休みなく「一叩き、一叩き」と動いていますが、この一叩きは、一体だれが叩いてくれているのでしょうか。

それこそが、あなたと深いご縁で結ばれた、数えきれないほどのご先祖様たちなのです。 ご両親、おじいちゃん、おばあちゃん……と、10代さかのぼるだけでご先祖様は1,024人。15〜16代さかのぼると、その数は約5万人にものぼると言われています。

お墓参りで手を合わせるとき、そこには5万人ものご先祖様がいて、あなたを全力で応援してくれている

それはまるで、東京ドームであなたがソロコンサートをするのを全力で応援しているかのような素晴らしい状態です。そう思うと、今年のお墓掃除にはより一層熱が入るのではないでしょうか。

あなたが今ここに生きているのは、ご先祖様たちが命のバトンを繋いできてくれた奇跡の結果です。

「一度きりの大切な命を使って、幸せに生きてほしい」

そんなご先祖様たちの願いが、私たちの心臓を動かしているのかもしれません。

「人が生きる」「人を生かす」「人に生かされる」と書いて「人生」です。

自分が今ここに生まれて存在しているのは、数多くの「おかげさま」に支えられているからこそです。

どうか感謝の気持大切にして、今年もご家族皆様で温かいお盆をお迎えください。

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