誰でも簡単に幸せになれる『幸福の4つの因子』

人生相談

こんにちは、満福寺の住職・保育園の園長をしています。しゅうちゃんです。

誰でも幸せになれる方法があるとしたら、あなたは知りたいですか?

今から解説する4つのことを実践するだけで、誰でも幸せになれる『幸福の4つの因子』というものがあります。

近年、「ウェルビーイング(well-being)」という言葉が注目を集めています。

「ウェルビーイング」とは「身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」を指す言葉で、医学や心理学の世界では「幸福」という訳語が当てられることが多い言葉になっています。

三業の教え

仏教の教えに「三業(さんごう)」という教えがあります。

『業(ごう)』とは『行為(行い)』のことですから、『三業』とは「三つの行い」ということになります。

つまり、三業とは私たちの行いには、「体でする行い」「口を使った言葉による行い」、更には「心で思う行い」3種類があり、これらを、仏教では身口意業(しんくいごう)と呼び、三業(さんごう)とも言われることがあります。

身業(しんごう)

『身業』とは体による行いのことです。

歩くとか、座るとか、寝るとか、食べるとか、体でしていること全ての行いになります。

また、私たちは何かを思いついたら行動します。これも身業になります。

口業(くごう)

『口業』とは口から発する言葉のことです。つまり、口の行いとは喋ることです。

日々いろいろな人と会話していますが、そのしゃべっている行いを口業といいます。

私たちの口から発する言葉は綺麗な言葉にも汚い言葉にもなり、相手を癒すことも出来ますし、逆に相手を傷つけることもできます。

親が子どもに対して「あなたなんて生まれてこなければよかったのに」、仕事で上司が「お前は失敗ばかりで役立たずだ」などのような言葉は意外と相手を深く傷つけているということに気が付くことなく使われている場合が多くあると思います。

また、言葉の中でも「ありがとう」の言葉は言った本人も言われる相手も気持ちの良い言葉になります。この言葉をきっかけに本当に信頼できる人と出会えたり、幸せになれることがあるのです。

意業(いごう)

『意業』とは心の行いです。心で思う行いのことを意業と言います。

これらの「身口意(しんくい)の三業」とは、簡単に説明すると「行動、言葉、心」の3つの行いと言うことができます。

そして、この3つの行いの中で一番大事なのが「意業」つまり、心の行いになります。

なぜ、心の行いが一番大切なのかというと、

例えば、「手が出る」という言葉がありますが、これは本当は相手に手を出したらいけないことは頭では分かっているけど、イライラしている気持ちが我慢できずに、気が付いたらつい手を出してしまって後悔してしまう。

また、「口が滑る」と言うのは、喋ってはいけないが喋りたい気持ちが我慢できず、絶対に内緒にして欲しいとお願いされたのに、つい友達や家族に喋ってしまいその結果、信頼をなくしてしまう。などがあると思います。

そして、実はこれらはすべてに「心」が関係しています。心で思いながら我慢できなくなったり、不安やイライラすることで良くない行動や発言になってしまう。逆に、心が前向きで感謝で溢れていたら自然と行動や発言も良いものに変化していくのです。

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つまり、心を幸せにできれば、誰でも幸せになることができるのです

では、心の幸せはどのようにすれば得られるのでしょうか?

幸せは目指せるもの

日本における「幸福学(well-being study)」研究の第一人者、慶應義塾大学大学院 教授の前野隆司(まえのたかし)氏「幸せは待つものではなく、目指せるものなのです」と提言されています。

「幸せとは何かの結果から得られるものだから、死ぬ瞬間に幸せな人生だったな」と思えればいい。だから幸せは目指すものではないと思ってしまっている人が多いかもしれないが、前野氏は「幸せは目指せるものだ」と言っておられます。

なぜなら、「笑顔を作ると幸せになる」あるいは、「人との触れ合いが豊富であると実は幸福度が上がる」という研究結果が出ていて科学的にも幸せは目指せるものだと証明されているからです。

つまり、幸せというのは、「幸せになれたらラッキー、幸せになれなかったらアンラッキー」ではなくて、ちゃんと学術的にこうすれば幸せを目指せる。こうすると逆に不幸せになってしまうということが分かっているのです。

だから、これから説明する「幸の4つの因子」を実践することで誰もが簡単に幸せになることができるのです。

幸せには「長続きする幸せ」と「長続きしない幸せ」の2種類がある

自分が幸せかどうかを考える時、「もう少しお金があったら幸せだったのに…」とか「もう少し頭が良かったら…」、「もう少し外見が魅力的だったら…」と思ってしまう人は多いと思います。

しかし、幸福に最も影響を及ぼすと思われるお金が、実は幸福とはあまり関係がないことが研究で分かっています。

心理学者・行動経済学者であり、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマン氏の研究によると、人間が感じる幸福の感情は、あるレベルまでは収入に比例して増えていく。

だが、収入が一定水準を超えると、幸福度は上昇しなくなる。つまり、年収がある水準を超えると、「収入と幸福感とは相関しない」という事実が、研究によって明らかになっている。

にも関わらず、人間は「お金があればあるほど幸せになれる」という幻想に踊らされ、「もっとお金が欲しい」と欲望を肥大させてしまいがちになってしまうのです。

つまり、収入増は感情的に幸福を感じる要素にはならないのに、お金が増えれば幸せになると思い込んでしまっていること。これをカーネマンは『フォーカシング・イリュージョン』と呼び、人は間違ったところに焦点を合わせてしまっているのだと言っています。

収入に限らず、名誉や物質、優れた容姿や体など、私たちが手にしていれば幸せなのではないかと思う要素はいろいろあると思います。しかし、もしこれらが幸福に関係ないとしたら、いったい私たちは何をすれば幸せになれるのでしょう?

人間の欲求を満たす「財」には、周囲との比較で価値が決まる「地位財」(収入や物、社会的地位など)と、他人との比較を前提としない「非地位財」(自由や愛情、感謝、社会への帰属意識など)の2つがあります。

・地位財(長続きしない)・・・・収入や物、社会的地位など
・非地位財(長続きする)・・・・自由や愛情、感謝、社会への帰属意識など

そして、「地位財」による幸せは長続きしないが、「非地位財」による幸せは長続きする傾向があるのです。

例えば、人間はお金や地位を手に入れても、すぐに慣れてしまい、『もっと欲しい』と思うようになります。地位財による幸せは欲望充足型の幸せなので、「限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則」(保有量の増加に伴ってその効用が低下していくという法則)が働いて、幸福感は長続きしないのです。

一方、愛情や感謝で満たされた人が、その状態に慣れてしまって、何も感じなくなるということはありません。

例えば、赤ちゃんの笑顔を見たら自分も自然と笑顔になり幸福感を感じる方は多いと思いますが、赤ちゃんの笑顔を何回も見た場合に、笑顔に飽きて嫌な気持ちになるということがないように、こちらは限界効用逓減の法則が働かないので、幸福感が長続きすることになります。

「4つの因子」を満たせば、人は誰でも幸せになれる

前野氏が提唱している考え方に、『幸福の4つの因子』というものがあります。

「幸福の4つの因子」とは人間は、どのようなときに幸せを感じるのか。それを明らかにするために、前野氏の研究グループはアンケート調査を行い、コンピュータによる因子分析を実施しました。

その結果、幸福感と深い相関関係がある、「4つの因子」の存在が浮かび上がったそうです。

  • やってみよう因子(自己実現と成長の因子)
  • ありがとう因子(つながりと感謝の因子)
  • なんとかなる因子(前向きと楽観の因子)
  • ありのまま因子(独立と自分らしさの因子)

やってみよう因子

「やってみよう因子」とは、夢・目標・自分の強みを持ち、夢や目標を達成しようと努力することになります。

この、やってみよう因子は、「主体性」にかかわる因子になります。夢や目標ややりがいを持って、「やってみよう!」と主体的に努力を続けられる人は、何も行動を起こさない人よりも幸せを感じることができます。

ただし、この因子を伸ばすには、「やらされ感の強い目標」ではなく、「自分が好きなことや心がワクワクするようなこと」をしなければ幸せにはなれません。

企業の場合は、『社員一人ひとりが会社の理念と一致した目標を持ち、それを自分事と捉えて、やりがいを感じて主体的に働いている』というのが理想になります。

会社の部品となって働くのではなく、本当にやりたいこと、自分がやるべきだと思えることを率先して行動に移せることが大切になります。

コロナ禍での自宅待機中に、『自分が本当にやりたいことって何だろう』と、あらためて考えた人は多いと思います。どうしたらもっとワクワクしながら、自分の仕事に取り組めるのか。少しでも何かしたいと思えることがあったら「やってみよう!」と考え、行動することで幸せになれると思います。

ありがとう因子

「ありがとう因子」とは、多様な人とつながりを持ち、人を喜ばせたり、人に親切にしたり、感謝したりすることで幸せをもたらすというものです。

「ありがとう因子」は、「つながり」にかかわる因子です。社会のなかで生きている私たちは、まわりの人とのつながりの中で幸せを感じます。

多様なつながりや、利他性(他人のために貢献したい気持ち)が強い人ほど幸せを味わえることが研究で分かっています。そんな他者とのつながりをつくるうえで欠かせないのが、「ありがとう」と言える感謝の心なります

「ありがとう」と感謝の気持ちを言われると言われた人は幸せな気持ちになれるし、言った自分も感謝を伝えることで幸せになれると思います。

つまり、『人を幸せにしようとすれば、自分も幸せになる』わけで、身近な人から世界中の人々に至るまで、感謝が広くて深い人ほど幸せを感じやすいのです。

たとえ苦手な人がいても、先入観を取り払えば、相手のいいところや素敵なところが見えてくると思います。まずはそれを見つけ出して感謝すること。それが幸せになる第一歩だと前野氏は言っておられます。

「ありがとう因子」からは、幸福度と交友関係に深い関連があることがわかるが、友達が多いことよりも、たとえ数は少なくとも多様な友達がいる方が幸せな傾向があるのだということも研究から分かっています。

友達が多様だから幸せになるのか、幸せな人が多様な友達を作ったり、多様な人を受け入れる寛容性をもっていたりする傾向にあるのか、どちらが原因でどちらが結果なのかはわかりませんが、統計的にわかっているのは友達が多様な人は幸せな人が多いということです。

だから、仕事のつながりだけとか、地域のつながりだけではなく、多様な他者と親密になることが幸せの第一歩だと言うことができます。

なんとかなる因子

「なんとかなる因子」とは、いつも前向きで、「自分のいいところも悪いところも受け入れる」という自己受容ができており、「どんなことがあっても何とかなるだろう」と感じる楽観的な人は、幸せになりやすいと言われています。

そうして、最初に解説した。いろいろなことに「やってみよう!」と挑戦していく「やってみよう因子」には、この「なんとかなる因子」が大切になってくるのです。いわゆる「ポジティブに考える」ことであり、つねに「なんとかなる!」と考えていれば、必要以上に挑戦を恐れることなく、行動に踏み出しやすくなります。

ありのまま因子

「ありのまま因子」とは、他の人に左右されずに、自分らしく生きていける人は、そうでない人と比べて幸福感を感じやすい傾向があると言われています。

つまり、自分に集中し、いわば「本当の自分らしさ」を探して、磨くことになります。自分の好きなことや得意なこと、ワクワクすることをどんどん突き詰めていくようにすると、自分でも知らなかった、「本当の自分らしさ」にたどり着けることがあり、幸せに近づけるのです。

そして、幸せになるためには、自分と他人を比べないことが重要になります。

「他人と自分を比べすぎず、自分軸をしっかり持って生きる人は幸せになれるのです。逆に、自分軸がぐらついていると、人と比べて『自分はダメだ』と思い込み、幸福度が低くなりがちになってしまう」と前野氏は言っておられます。

自分と他人を比較していると、妬みやうらみにつながって、どんどん幸せが逃げていきます。

このように、「幸せ」というものは自分でコントロールできると知ることからすべてが変わっていくのだと思います。少しのことでもいいので、自ら主体的に取り組むことで「幸福度」は上がっていくのです。

幸せも、不幸せも伝染する

一人ひとりが幸せを感じて動いていれば、家庭でも職場でも、幸せがだんだん広がっていきます。

イェール大学のニコラス・クリスタキス教授が、「幸せは伝染する」という研究結果を発表しています。

彼はもともと、肥満や喫煙習慣は伝染するとする公衆衛生の研究をしていたのですが、昔から「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、幸せな人のまわりには幸せな人が多いことを発見し、幸せが波及していくことをあきらかにしました。同じように、不幸せな人のまわりには、不幸せな人が多いこともわかっています。

前野氏は、今は幸せな人と不幸せな人が2極化する傾向が見られると言っており、

幸せな人は、インターネットを存分に活用し、主体的に行動しながら、多様な人たちとグローバルにつながりあって幸せに生きている。

一方で、特定の場所や組織にいてあまり外の世界に触れないでいる人は、不満や閉塞感を感じて不幸せになっていく。そして、その不幸せが組織に伝染していくのです。

つまり、個人の幸せも組織における幸せも、一人ひとりからはじまるわけです。

幸せというのは、いわば「気の持ちよう」なのです。スポーツでも、チームみんなのやる気がなければ勝てるわけがありません。たとえ少しでも、自分で行動を起こし、みんなときちんとコミュニケーションをして仲良くしていくことで、個人も組織もどんどん変化していって幸せになれるのです。

あなたが幸せになるためにやるべきこと

幸せになるためには、これらの「幸福の4つの因子」を高めることが大切になります。

大切なのは、日々の生活や仕事のなかで、ほんの小さなことでもいいので自分から行動や挑戦を起こしてみることです。たとえルーチンワークでも、仕事のなかに面白さは必ずあります。

例えば、毎日お茶を出すだけの仕事をしている人がいるとします。通常、この仕事はつまらないと思います。しかし、ここでユニークな発想を持つ人がお茶出しの担当になりました。その人はこのように考えました。

私が出したお茶で「このお茶、美味しいね」とお客さんの口から絶対に言わせてみせる。すると、その人はその日からお茶の入れ方、出し方、接客の仕方を学びました。そして、お茶を出す一つ一つがその人にとってのチャレンジになり楽しみになりました。

このような人は周りから見て、明らかに違う人に見えるので、お茶出しの担当にするのは勿体ないとなると思います。そして、他の仕事も頼まれ、本人も楽しみながら積極的にチャレンジすることで、結果、どんどん昇進していくのだと思います。

「事実は1つ、考え方は2つ」という言葉があるように、事実は一つでも考え方ひとつで楽しくなっていくものです。自分が変われば周りの環境も自ずと変化していくのだと思います。

 つまり、どんなものごとも「誰かにやらされている」と思っていやいや取り組んでいると、それだけ幸せから遠ざかるということです。

これら4つの因子は四つ葉のクローバーみたいなもので、4つ揃うと誰もが必ず幸せになれるということになります。

またこの考え方で大事なのは、私たちの幸福に関係する心の因子がわずか4つに集約されたことです。人間の脳はわかりやすい目標があると、無意識にそれを目指してしまうものなのです。だから、そのシンプルさが重要で、この4つを覚え、満たすように心がけていたら、誰でも幸せになれるのです。

このように幸せは伝染するもので、循環していきます。それは対人関係の中だけではなく、自分の中でも循環していくものだと前野氏は言っておられます。

これまで説明した「幸福の4の因子」も1つの因子が実現できれば、2つめの因子も実現可能になる。幸せな活動をしていれば、雪だるま式に幸福度は高まっていくのです。この「幸福の4の因子」を理解して、みんなで実践していってもらって笑顔あふれる幸せな毎日にしてもらえると嬉しいです。

そして、『満福寺の福守(きかないOMAMORI)』も皆さんの幸せな生活を実現させる何かのきっかけになればと願っております。もし興味を持たれた方はよろしくお願いします。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

明日が大好きになれるように二度と来ない今日一日を大切に楽しんで過ごしていきましょう。

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