こんにちは、お寺の住職・保育教諭をして15年目のしゅうちゃんです。
日々、お寺の住職・こども園で働く中で、「檀信徒様との人間関係」や「子ども達への関わり方や指導」などでコーチングのテクニックがかなり役に立っていると感じます。
コーチングを知る前は「檀信徒様と話をするのがちょっと苦手だな」、子どもに対しても「何で自分の言うことを全然聞いてくれないのだろう」と悩んだり、イライラしてしまうことが多かったのですが、コーチングのテクニックを使うことで、これらの悩みがかなり少なくなったと感じています。
職場での人間関係や子育てで悩んでいる方が、コーチングのテクニックを知ってもらうことで、少しでもこれらの悩みが解消されると嬉しいです。
今回のコーチングテクニックは『相手についての質問を自分に問いかける』になります。
コーチングとは?
コーチングとは、対象者の自主性を促し、能力や可能性を最大限に引き出しながら、目標達成に向けてモチベーションを高めるコミュニケーション技術です。
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コーチングとティーチングの違い
ティーチングの定義
ティーチングはその名の通り、先生が生徒に授業を行うように経験豊富な人が、経験が浅い人を相手に自分の知識やノウハウを伝えるという手法です。
ティーチングにおけるコミュニケーションのスタイルは、指導者から指導を受ける側への一方通行となります。まさに上から下へといった指導法になります。
また、ティーチングは指導者側が明確な答えを持っているという前提で行われることが多いです。 1対1で行われることもありますが、1対大人数の講義形式で行われることもあります。
コーチングの定義
コーチングは、対話を通してコーチングの受け手が、自ら答えを導き出せるようにサポートする指導の手法です。
コーチングにおけるコミュニケーションスタイルは、コーチする側とコーチングを受ける側が双方向となります。また、コーチングは指導を受ける側が答えを持っているという前提で行われることが多いです。
コーチングは基本的に1対1で行われ、相手に適切な質問を投げかけることで、本人の力で正解を導き出せるよう手助けをしていくものです。 ティーチングとは異なり、人間関係をしっかりと築き上げていく中で相手のやる気を引き出し、本人の努力をサポートしていく手法になります。
相手についての質問を自分に問いかける
コーチングの鉄則は
『相手の発見を促し、安心して人を動かすこと』です。
コーチングで最も大切なことは、「発見を促すこと」とコーチングに関する書籍には多く書かれています。
「発見を促すこと」とは相手の中にある、相手さえもそこにあると気付いていない内側の情報を「一緒に探索」し、見つけ出すというのがコーチングの基本になります。
今回は紹介するコーチングテクニックは「相手についての質問を自分に問いかける」になります。
「相手についての質問を自分に問いかける」とは?どういうことなのか。
人はほとんどの場合、自分側から状況を見ています。
相手の立場に立ってモノを見る、考えるということは本当に難しいことです。
向こう側にまわって状況を観察すれば、きっと違う行動の選択が可能になると思います。
しかし、
実際に人の視点は簡単には動かせません。
では、どのようにすれば、人の視点を向こう側に移すことができるのでしょうか?
それは、
「ひたすた、その相手についての質問を自分自身に問いかけること」が大切になります。
このような質問に答えていくことで、人は初めて相手の目を通して世界を見ることが可能になります。
例えば、
「あなたが苦手と思っている相手」や「何でいつもこんな行動をするのか?と不満をもってしまう相手」に対して、
「彼は家で子どもと遊んでいるときはどんな表情をしているのだろう?」や
「彼が子どもの頃の夢って、どんな夢だったんだろう?」などの質問を自分に問いかけるようにする。
人は相手に対する自分自身の行動を客観的に捉え始めたときに初めて、新たな行動の糸口をつかめるのです。
正論という考え方
「正論」というのは、
道理にかなった正しい議論・主張のことを言いますが、
実はこの「正論」という漢字の、『正』・・「正しい」という漢字は5画からなっています。
この5画には、自分が絶対に正しいと信じている考え方とは別に4つの正しい考え方が存在するということを教えてくれています。
つまり、相手は必ず間違っていて、自分が正しいという想いを持ちやすい私たちに「正論」という言葉は、色々な考え方がある中で、答えは1つではなく、他の答えや考え方もあるのだと客観的に自分自身を観察して、その中から答えを出せばいいのですよと伝えてくれているのだと思います。
自分とは違った考え方もあるということを知るだけで、気持ちにも余裕ができ、物事を客観的に見ることができるのです。
セルフコーチング
先程の、「相手についての質問を自分自身に問いかけること」とは少し違った考え方になりますが、
自分自身に問いかけるコーチングの1つとして、「なりたい自分に導くための自分自身に問いかける」『セルフコーチング』というコーチングテックニックがあります。
セルフコーチングとは、なりたい自分に自分自身を導く技術のことです。
セルフコーチングを身に付けると、自分の人生を自分の意志でコントロールすることができるようになります。
セルフコーチングとは?
通常コーチングは、コーチからコーチングを受けるのが基本ですが、
セルフコーチングは文字通りコーチングを自分自身で行います。
自分で自分をコーチングすることなんて本当にできるの?と思うかも知れませんが、
実は、コーチングの究極の効果は、コーチングを受けながらセルフコーチングを身に付けることにあります。
コーチングは、コーチが相手の目標達成をサポートすることですが、常にコーチがそばにいてサポートしてくれるわけではありません。
目標達成に向け日々立ちはだかる壁を自分自身が乗り越えていかなければなりません。
ですから、コーチはコーチングを行いながら、相手が自分自身で問題を解決したり、困難に立ち向かうことができる力を備えさせるのです。
この自分自身で考え行動できる力が「セルフコーチング」になるのです。
セルフコーチングの効果
セルフコーチングを行えるようになると具体的にどんな効果があるのでしょうか?
それは、一言で言えば、
なりたい自分を自分自身で手に入れることができるようになります。
具体的には・・・
- 目標を明確にできる
- 現状を明確にできる
- 目標達成を阻むものを明確にできる
- 目標達成に必要なリソースを明確にできる
- 目標達成に必要な行動を明確にできる
- 目標達成に向けて具体的な一歩を踏み出せる
- 目標達成に向けて自分を許容、認めることができる
- 目標達成するまでモティベーションを持続できる
- 目標達成に立ちはだかる壁をブレイクスルーできる
- 目標を達成するまで行動し続けることができる
以上のようなものがあります。
つまり、セルフコーチングを身に付けると、目標を達成するための「仕組み」を自分自身でつくることができるようになります。
セルフコーチングの手順
次に、セルフコーチングのやり方について説明していきます。
通常セルフコーチングは、コーチからコーチングを受けることで徐々に身に付けていくものですが、ここでは自分自身でセルフコーチングを行う手順をご紹介します。
セルフコーチングを行う手順は次の通りです。
- 自分を理解する
- 自分を認める
- 新しい自分をつくる
1.自分を理解する
セルフコーチングの最初のステップは、自分を理解することです。
自分を理解するためには、もう一人の自分が「自分」を観察できる視点を持つことが必要です。
自分を客観的に観察するには、
「自分を客観的に見るとどういう人間ですか?」
この言葉を自問自答し、自分をよく観察してください。
例えば、
- 好きなところは?
- 嫌いなところは?
- 良いところは?
- 悪いところは?
など、あなたの性格や性質を出せるだけ出してみましょう。
また、紙やメモにあなたの性格や性質を書けるだけ書いてみるというのも良い方法になります。
2.受け止める
1の質問によって自分を観察できたら、「なりたい自分になるために必要な自分」と、「なりたい自分になることを邪魔をする自分」がいることに気づくはずです。
ここで重要なことは、良い面も悪い面も含めたありのままの自分をしっかり受け止めることです。
人は悪い面があると、そこばかりが気になって動けなくなってしまいます。
もちろん、なりたい自分を邪魔するものは直したり改善する必要はありますが、必要以上に悪い面ばかりに囚われ過ぎてしまうと、いつまで経って行動を起こすことができません。
ですから、良い面も悪い面もすべてを受け止め、今自分が持っているものを最大限活かしながら行動を起こせるように自分を受け止めることが大切です。
3.新しい自分をつくる
今ある自分をしっかり受け止めたら、新しい自分、つまり、「なりたい自分」をつくります。
なりたい自分をつくるためのステップは次のとおりです。
- 目標を明確にする
- 期限を明確にする
- リソースを明確にする
- 弊害を予測する
- 行動計画を立てる
- 行動する
- 結果に柔軟に対応する
- 壁を乗り越える
- 目標を達成するまで行動し続ける
ではそれぞれ詳しく解説していきます。
1.目標を明確にする
目標を明確にしなければ、具体的な行動は起こせません。
「なりたい自分とはどんな自分ですか?」
この言葉を自問自答し、あなたの目標を明確にしていきましょう。
2.期限を決める
目標を明確にしたら、その目標をいつまでに達成するかを明確にします。
期限を明確化することで実現性は高まります。
「なりたい自分をいつ(何年何月何日)までに手に入れますか?」
上記の言葉を自問自答し、期限を明確にしましょう。
3.リソースを明確にする
次はリソースを明確にします。
リソースとは、目標をより効率良く、より効果的に達成するために使えるあなたの資源のことです。
- 「目標達成に役立つ情報は?」
- 「目標達成に使える知識やスキルは?」
- 「目標達成に活かせそうな経験値は?」
- 「目標達成に力になってくれそうな人は?」
以上のような質問を自問自答し、リソースをすべて洗い出しましょう。
4.弊害を予測する
目標を達成する上で、行動を邪魔する可能性のある弊害を予測し、予め対応策を考えておくことは非常に重要です。
下記を自問自答し、対応策を考えましょう。
「目標達成に向けあなたの行動を邪魔する可能性のあるものは何ですか?」
例えば、
- あなたの性格や癖は?
- 環境の問題は?
- 人間関係は?
- 時間の問題は?
- 経済的な問題は?
などの質問を自問自答して、あなたの行動を邪魔する可能性のある弊害を予測していきます。
5.行動計画を立てる
ここまできたら、具体的な行動計画を立てます。
行動計画は、通常現在を起点として未来を描きますが、それではどうしても現状の課題に囚われ、未来があいまいになったり、新しい発想や発展的な未来を描くことは容易ではありません。
そこで、未来のあるべき姿から、それを実現するために今なすべきことを考え、分析し、具体的に実行します。
つまり、未来(目標を達成した時点)から逆算して目標を立てるということです。
例えば、5年後に起業を目指すなら、起業した5年後の自分から見て今自分には何が必要なのかを考えるわけです。
下記を自問自答し、行動計画を立てましょう。
「目標を達成した自分から現状の自分を見たら今何をする必要がありますか?」
例えば、
- 目標を達成するには1年後にはどうなっている必要がある?
- そのために1か月後にはどうなっている必要がある?
- そのために1週間後にはどうなっている必要がある?
- そのために今日何をする必要がある?
などになります。
6.行動をする
行動計画を立てたら、いよいよ行動を起こします。
なりたい自分になるために行動を起こすことを決断し、その第一歩となる具体的な行動を起こします。
下記を自問自答し、今すぐ行動を起こしましょう。
「なりたい自分になるために今すぐに取り掛かることは何ですか?」
7.結果に対応する
行動を起こすと上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。
上手くいっている時は、さらに良い結果を出せるようにアイデアを考え工夫をこらします。
上手くいっていない時は、原因を究明し軌道修正を行います。
・上手くいっている場合
「さらに良い結果を得るためのアイデアや工夫はありますか?」
・上手くいっていない場合
「上手くいっていない原因は何ですか?」
「次は上手くいかせるためには何が必要ですか?」
「他に上手くいく可能性のある方法はありますか?」
上記の質問を自問自答し、結果に対して柔軟に対応していきましょう。
8.壁を乗り越える
行動を起こすると壁にぶつかることがあります。
壁にぶつかると、行動が止まり、諦めてしまいそうになります。
このような時、諦めずに壁を突破するためにはどうすれば良いのでしょうか?
壁にぶつかった時は主に下記の2つのブレーキが作動します。
- 心理的ブレーキ
- 物理的ブレーキ
それぞれを詳しく説明していきます。
1.心理的ブレーキ
不安や恐れなどの心理的ブレーキがかかっている時は、それを無視して無理に進もうとしても前には進めません。
前に進むためには、ブレーキをかけている心理的な要素をしっかり認識し、ブレーキを緩める材料を集める必要があります。
下記を自問自答して心理的ブレーキを解除しましょう。
- 「不安や恐れていることはことは具体的に何ですか?」
- 「不安や恐れを受け止めてみて何を感じますか?」
- 「何があれば不安や恐れを解消することができますか?」
- 「これまで不安や恐れを感じた時はどのように解消してきましたか?」
- 「この壁を乗り越え目標を達成した自分を想像してください」
2.物理的ブレーキ
物理的ブレーキとは、これまでのやり方では前に進めない時に起こります。
例えば、新しい知識や技術が必要であったり、今の環境では最良なパフォーマンスが発揮できなくなった時です。
物理的ブレーキは、言い換えればあなたが成長した証で、ヴァージョンアップする段階にあるということです。
下記を自問自答し、物理的ブレーキを解除しましょう。
- 「壁を乗り越えるために新しく得る必要のある知識や情報は何ですか?」
- 「壁を乗り越えるために新しく身に付ける必要のある技術やスキルは何ですか?」
- 「壁を乗り越えるために捨てる必要があるのは何ですか?」
- 「次のステージに必要な環境を整えましょう」
9.目標を達成するまで行動し続ける
目標を達成するまでの道のりにはさまざまな試練が待ち受けます。
努力が報われず結果が出ない時期もあります。
それでも行動し続けるには、行動する目的を常に意識し、目標を達成したイメージを強く持つことが重要になります。
下記を自問自答し、目標を達成するまで行動し続けるバイタリティを引き出しましょう。
- 「あなたが目標を達成する目的は何ですか?」
- 「目標を達成した自分をイメージしてください」
- 「目標を達成した自分をイメージしたら何が見えますか?」
- 「目標を達成した自分をイメージしたら何が聞こえますか?」
- 「目標を達成した自分をイメージしたら何を感じますか?」
- 「目標を達成したら誰と喜びを分かち合いますか?」
- 「目標を達成した自分から今の自分にどんな言葉をかけますか?」
まとめ
今回は「相手についての質問を自分に問いかける」と「セルフコーチング」というコーチングテクニックを紹介しました。
コーチングは何か難しいことをするのではなく、基本的には「相手の発見を促し、安心して人を動かすこと」になります。
コーチングとは、「自分にはできない」ではなく、「やってみる」ことが大切です。行動を起こさないと何も始まりません。
つまり、行動することが一番大切なのです。
もし、今のあなた自身が誰かとの関係で悩んだり、人間関係で煮詰まっていたら、その人に関するたくさんの質問を作って自分に問いかけてみてください
「ふぅーっ」と肩の力が抜けるまで・・・
また、理想の自分に届くための方法・手段としての「セルフコーチング」を生活に取り入れ、あなたの目標達成を加速させましょう!
これから、いくつかのコーチングテクニックを紹介していきますが、
これらのコーチングテクニックを実践してもらうことで、職場や家庭での人間関係が良くなり、皆さんが幸せで充実した生活をすごしてもらうきっかけに繋がれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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