こんにちは、満福寺の住職と保育園の園長をしています。しゅうちゃんです。
記念すべき100番目の明日が大好きになれる言葉は
『心の置きどころ次第で運命は拓ける』になります。
この言葉は、大谷翔平選手がメジャーに行く前に熟読していたとされる『運命を拓く』の著者である中村天風さんの言葉であります。
天風さんは人生哲学の第一人者であり、この教えは天風哲学とも呼ばれ、松下幸之助や稲盛和夫などの日本政財界のリーダーや芸能人、スポーツ選手まで各界のトップたちに今でも大きな影響を与えています。まさに、天風哲学は人生に悩むすべての人に役立つ教えが詰まった哲学になります。
中村天風とは
中村天風さんは波乱万丈の人生を送った人で、その過程で、自身の思想を『心身統一法』という実践的な方法にまとめあげ、世間に広く普及させました。また、『人生哲学』の第一人者ともいわれている方です。
中村天風さんの本名は中村三郎。天風さんは幼少期から英語が堪能で、柔術にも優れた文武両道の人材でした。
1876年、役人の息子として東京で生まれたのち、1892年に右翼団体「玄洋社」の頭山満の元に預けられ、16歳で帝国陸軍の諜報員に任命されました。
気性が荒い天風は、満州で鉄橋を爆破したり、馬賊と斬り合ったりと活躍しました。その後、日露戦争では軍事探偵として活躍しました。
日露戦争後は帝国陸軍で高等通訳官となりました。
終戦後、当時は患うと治らない死の病気として怖れられた肺結核にかかり、かつて戦争で活躍したとは思えないほど天風さんは弱り果ててしまいます。
このままでは命を落としかねないと悟った天風さんは、心理学、医学、宗教など、各分野の権威といわれた方々に病気を治してもらうため、世界中を渡り歩きました。
ですが、誰も病気を治す方法を教えてはくれず、エジプトから日本に帰る船の中で吐血し、命の限界を迎えてしまいます。
そんな矢先、たまたま同じ船の中にいた、ヨガの大聖者であるカリアッパ師と出会い、ヒマラヤの大自然で修行を行うことになります。
そこで約3年間修行し、死病である肺結核を治すことに成功します。それから日本に帰った天風さんは、業家として活躍し、大きな成功を収めます。
しかし、天風さんは手にした成功を捨て、生涯講演家として活動することを決断します。
その後、半世紀以上講演家として活動し、50年以上にわたって、多くの人に影響を与える偉大な人物となっています。
中村天風の教え
中村天風さんの教えは「健康も運命も心一つの置きどころ」という思想にもとづいています。その主軸にあるのが「心身統一法」です。
心身統一法には3つのテーマがあります。
- 成功と繁栄
- 健康と長寿
- 心の平穏と安心
成功と繁栄
中村天風さんの教えの根底には、「人は成功と繁栄を必ず実現できる」という強い信念があります。
心の持ち方一つで運命が変わることもあれば、大きな問題を解決することもできると中村天風さんは説いています。
私たちは「成功できるのは一握りの人に過ぎない」といった消極的な考えを無意識のうちに抱きがちになってしまいますが、人はだれでも成功と繁栄を実現するべく、創造的な人生を歩むことができるのです。
健康と長寿
現代においては、心の持ちようが健康状態に影響を及ぼすことは医学的にも証明されつつあります。
中村天風さんは自らの体験を通してこの事実に気づき、日本で先駆けて「自然良能作用」を活性化させることの重要性を説いたのです。
「自然良能作用」とは、今でいう自然治癒力になり、人間にもともと備わっている病やケガを癒し直す力のことを言います。
自然良能作用が勢いよく働くと、健康状態はもちろん運命までも自然に良くなっていく。
そして、自然良能作用は、私たちの心が明るく、朗らかな状態のとき、すなわち積極的な心の状態でいるときに、最も活発に働くのです。
例えば、身体に痛みや不調があるとき、私たちは「痛い」「苦しい」と口に出すばかりか、つい心までネガティブな思考に引き寄せられがちです。
しかし、心のあり方まで積極性を失ってしまうと、ますます健康と長寿から遠のく結果をもたらしかねません。
医療など自分の外側にある力に頼るのではなく、まずは自身の「心の態度」を変革していくべきだ、と中村天風さんは説いています。
心の平穏と安心
心の状態を常に平穏に保つことは、非常に難しいと多くの人が考えがちです。
しかし、中村天風さんは「人間は感情を制御できる」と明言しています。
人生の中で、腹が立つ出来事に遭遇したり、自分は不幸だと感じたりすることはたくさんあると思います。
何が起きたとしても事実を受け入れ、自身の心を自在に切り替えることで真の「安心」を得られると天風さんは説いています。
天風さん自身が92歳まで情熱を燃やし続け、大往生を遂げたことからも、心の平安と安心を実感しながら生きることの大切さが立証されたと言えます。
心の置きどころ次第で運命は拓ける
中村天風さんの名言の中でも私は『心の置きどころ次第で運命は拓ける』という言葉が一番好きな言葉になります。
人は一生懸命努力をしたのに実らないとき、多くの人は必ず運命のせいにすると思います。
天風さんは『運命』と言うものには2種類あると言っており、
「どうしようもない運命」を『天命』と言って、「人間の力で打ち開くことのできる運命」のことを『宿命』と言うのだと言われています。
「天命」とは、「この両親から生まれてきたこと、この時代に生まれたこと」などの絶対的に変えることのできない事実のことを言います。
そして実は、それ以外のほとんどのことは自分の力で打ち開いていくことができる「宿命」になるのです。
また、天風さんは「運命は変えられるのではなく、乗り越えられる」のだと言っており、悲しいことや腹の立つこと、それ自体を変えることはできません。
でも、その思いに執着して立ち止まらないことが大切で、「常に前を向いて進むことができれば運命は必ず乗り越えられるのだ」と言われています。
例えば、あなたが今、前の職場で失敗した悲しみに執着している、そのままでは前に進めない。
でも、自分の人生を見つめ直す良い機会をもらえたと考えてみる。そうすれば、その失敗も自分の糧と感じることができる。
「心を積極的にする」とはそういうことなのだと天風さんは言っておられます。
天風さんは『人生は心ひとつの置きどころ、心の置きどころひとつで人生は激変する』という言葉も残されています。
心の持ち方や思い方・考え方ひとつで、あなたの人生は良くもなり悪くもなるのです。
あなたが今日一日を過ごせたことは当たり前じゃない奇跡的なことなのです。そのことに感謝して喜びを感じて、心を積極的にして前に進み続けることで明日が大好きになり、あなたの人生は必ず素晴らしいものに変化していくのだと思います。
今日が一番若い日です。あなたの運命はあなたの心の置きどころ次第で変えることが可能なのです。
コメント