『最高の布施とは他者を喜ばせること』 《京都・満福寺10月 お寺のお便り》

お寺の話

 少しずつ涼しくなり、過ごしやすい季節となってまいりました。皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

「弥陀たのむ 身となりぬれば 中々に 暇(いとま)はありて 暇(いとま)なき身や」

(西山上人御歌)

この御歌は、西山浄土宗を開かれた西山上人さまの御歌です。

「少しのことですぐに悩み苦しんでしまう煩悩まみれの私であっても、阿弥陀様の救いに身を任せることで身も心も救われていると気付けば、あれこれ思い悩むことが少なくなって暇になった。ところが暇ができたことで、今度は積極的に他者へ布施をしていく生き方に変わり、むしろ忙しい身となった」

そういった意味の御歌になります。

今回の秋彼岸では、ある寺院様にお声がけをいただき、この御歌をお題にお説教をさせていただきました。

皆さんは「お布施」と聞くと、何をイメージされますか?

もしかすると多くの方が「お金」をイメージされるかもしれません。

ある住職様からお聞きした『お金と現金の違い』についてお話しさせていただきました。

その住職さま曰く、お金とは「与えた価値に対して返ってきた感謝の気持ち」なのだそうです。お金には、次の6つの働きがあります。

① お金=言葉:何かしてもらったときに「ありがとう」など、感謝の気持ちを言葉で返すこと。

② お金=行為:感謝の気持ちを、肩を揉んであげるなどの行為で返すこと。

③ お金=物品:お土産を買っていったり、家庭菜園で採れた野菜をお裾分けするなど、相手に喜んでもらうこと。

④ お金=応援:感謝の気持ちを、誰かを応援するという形で返すこと。

⑤ お金=ご縁:感謝の気持ちを、その人に必要な人を紹介するという形で、ご縁で返すこと。

⑥ お金=現金:資本主義が生まれてからの価値の交換媒体としての現金。

資本主義が生まれて現金が使われるようになる前の本来の価値交換は「言葉・行為・物品・応援・ご縁」という5つのお金を循環させて生活していました。

現金は、自然災害や食料危機などが起きると、いくら持っていても役に立たないことがあります。

しかし、日頃からこの6つのお金の働きを実践している人は幸せになることができ、困ったときに必ず誰かが助けてくれます。

お金とは現金だけでなく、この6つすべてがお金の正体だと知れば、「自分がすでに多くのお金を持っていた」ということに気付けると思います。

布施とはサンスクリット語で「ダーナ」と言い、自分の力(エネルギー)を他の人のために使うことを意味します。

誰かに優しい言葉をかけているとき、誰かの夢を応援しているとき、誰かの笑顔のために仕事に励んでいるとき、あなたはすでに「お金持ち」なのです。そしてそれこそが、しっかりと布施の修行をしている姿にほかなりません。

人間には、他の動物にはない唯一の本能があるそうです。

それは「誰かを喜ばせると嬉しい」という本能です。三歳未満の子どもであっても、お菓子を「もらうこと」より「与えること」に喜びを感じるという研究もあります。

人間は、他者を喜ばせることで自分自身も大きな幸せを感じるようにできているのです。

あなたの幸せが周りの幸せになり、あなたが感じる幸せの量は何倍にも膨らんでいきます。

「南無阿弥陀仏」というお念仏に込められた阿弥陀様の慈悲の願いに感謝し、6つのお金の働きに気づくことで、多くの方の笑顔につながる豊かな毎日をお過ごしいただけるきっかけに繋がれば幸いです。

★満福寺からのお知らせ

令和8年11月25日(水)、26日(木)、29日(日) 
場所:総本山光明寺(長岡京市)・阿弥陀堂
時間:13:00~15:00 
内容:西山上人御祥月法要と法話
※紅葉期間中の本山への入山には入山料(大人1000円・中高生500円)が必要になります。
※参加自由・途中退席可

総本山光明寺の紅葉期間中(11月14日~12月6日※入山料が必要になります)に中部青年僧の会主催で「西山上人御祥月法要と法話の会」を開催することが決定いたしました。

若手の僧侶たちがお参りされた方が笑顔になれるような法話を考えてお待ちしております。たくさんご参加していただけると嬉しいです。

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